[flexy_breadcrumb] 畳の良さを多くの方に知っていただければ幸いです 畳の歴史 平安時代までの畳は、現在イメージするそれと違い、板床に敷くクッションのような役割を担うものでした。しかし平安時代に入ると、畳には厚みが加わり、クッションではなく床材の一種としての使用が広まってきます。 それ以前と違い、持ち運んだり、移動させたりすることが減ったため、その際に規格の統一が進められました。その後、室町時代に入ると部屋全体に畳を敷く様式があらわれはじめます。書院造の登場や、茶室と正座の流行が畳の普及に拍車をかけたとも見ることが出来ます。しかし、日本家屋に欠かせない要素と呼べるようになるのは江戸時代まで待つ必要がありました。 江戸時代に入ると、畳は重要な建築物の要素として扱われるようになります。その頃の記録には、城や屋敷の改修工事を司る役職として畳奉行が任命されていたというものが残っています。 畳の構造や、効用 畳は、芯材になる板状の畳床に、い草で作った畳表と呼ばれる敷物状の素材を張り付けて作ります。畳の縁には畳縁と呼ばれる帯状の部品を縫い付けることで、畳表を固定します。また畳縁には装飾の目的もあります。一部、畳縁のない畳もあるなど、必須の部品というわけではありません。 畳の特徴として、高い断熱性と保湿性、吸湿性と放温性があげられます。畳の素材となるい草を顕微鏡などで拡大してみると、繊維がスポンジ状の構造をしていることがわかります。スポンジ内に含まれる空気が、先に書いた調温効果の秘訣です。また、スポンジ構造のメリットはそれだけではありません。畳に寝転んでもらえればわかるのですが、一見すると硬そうに見える畳も、実はふわふわとした感触をしています。衝撃や音を吸い込んで緩和してくれる点も畳が備える大きな特徴と言えるでしょう。 その他、い草の香りにはホルムアルデヒドを吸着する効果や鎮静効果、二酸化窒素を吸着する効果があると言われています。噛み砕いて言うのなら、畳敷きの部屋の空気はきれいで、森林浴に似たリラックス効果が得られるということです。 畳のためにも、住む人のためにも、畳の手入れは欠かせません ダニやカビの発生は、畳の寿命を減らすだけでなく、そこで暮らす人間の健康にも害を及ぼす可能性があります。畳を長持ちさせるためには、日々の手入れが大切です。埃が溜まってくる前に、乾いた雑巾で拭く、畳の目に添って掃除機をかけるなどしてきれいにしてください。その際、雑巾を水で濡らしたり、合成洗剤を吹きかけたりはしないでください。カビの発生や変色の原因となってしまう場合があります。また、梅雨の時期にはとくにカビが生えやすくなります。雨が止んでいる際などを見計らって、換気を行うなどで対策してください。